あらかたひとりのブログ

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Cereals 穀物

最も重要な食糧。

古代ギリシアやローマでは小麦、大麦、オーツ麦、ライ麦、粟などを栽培しており、主に雨期の降雨に頼っていた。ちなみに水稲農業は知られておらず、トウモロコシはコロンブス後にアメリカ大陸から伝わることになる。

古代末期には小麦が最も重要な穀物であった。紀元前4世紀以降の回転式ミルの普及や、目の細かいふるいで籾殻をよく分別できるようになったことで品質のいい小麦粉を作ることができた(現代には劣るが)。

小麦は他の穀物よりグルテンの割合が高いため好まれるようになり、ギリシア語やラテン語で小麦を意味する言葉は次第に穀物全般を指すようになっていった。小麦はヒトツブコムギ、エンマーコムギ、デュラムコムギ、パンコムギ、スペルトコムギに大別される。デュラムコムギやパンコムギは脱穀しやすく、エンマーコムギやスペルトコムギは脱穀に手間がかかった。しかし後者の方が生産性が高かったため、古代の多くの地域で作られるようになった。エンマーコムギは紀元前2000年頃のミケーネで、スペルトコムギは鉄器時代の英国で重要だった。ヘレニズム期エジプトではデュラムコムギが作られるようになりそれが地中海沿岸に広まり、北方ではパンコムギが広まるようになる。

大麦も重要な穀物であった。パンの品質は小麦よりも劣るが、小麦よりも乾燥した地域でも育てることができ、地域によって、例えば紀元前4世紀のアッティカでは小麦より重要視されていたと思われる。