あらかたひとりのブログ

のんびりひとり暮らししています。

Choregia コレギア

古代アテナイにおいて、コレギアは裕福な市民がポリスのために行う公共サービスであった。アテナイの祭りにおける合唱団の募集、訓練、衣装の手配などコレーゴスと呼ばれる役割がそれであったし、海軍の船の準備もまた裕福な個人の出資であった。

前者について、大デュオニシア祭では5つの喜劇(それぞれ合唱団24人)、3つの悲劇とサテュロス劇(合唱団12人か15人)、そしてディテュランボスは成人の部と少年の部それぞれ10(合唱団50人)が演じられた。コレギアが導入された時期は不明だが、その歴史はアテナイが民主制へと変わっていく流れと関係している。コレギアを担える階層は市民人口のおよそ1%とされ、2年連続では要求されなかったようだが、市民の好意を得るためにより多くの役割を果たす者もいた。大デュオニシア祭の悲劇とサテュロス劇に3,000ドラクマという、熟年労働者の年間収入の10倍に相当する費用を捻出していることもあったようだ。コレーゴスの間では競争心と名誉心が高く、義務ではあるが政治的な恩恵にもなっていた。

紀元前4世紀になりアテナイに陰りが見えるとこの出費に疑問が呈され、紀元前405年の大デュオニシア祭では2人で費用を分担することになった。アテナイ外でも多くのポリスでこのような制度があったようだ。