あらかたひとりのブログ

のんびりひとり暮らししています。

あわててとりだすよ、雨に

あわててとりだすよ、雨に

 

これは可愛らしい絵につけられた文だ。

雨降る中、洋服を着たハムスターが右手を掲げて傘をぱっと開いている、そんな場面。(傘はカラフルな色をしたお菓子で、この後溶けてしまうのだが……)

 

私は文だけを担当している絵本作家であり、この時は素直におどろいたのだが、イラストレーターの田丸氏が聞いたところによると、どうやらこの文が「こわい」という人が一定数いるらしい。

私自身は恥ずかしながらSNSを使いこなすことができず、ネット上の評判は田丸氏や出版社の担当氏に確認をお願いしている。後日、担当氏にふと聞いた時には、一定数ではなく多数という表現になっていたためなおおどろいた。

 


あわててとりだすよ、雨に

 

どこにもひねりはない。

確かに、雨が急に振り出したからあわてて傘を取り出した、が十分に説明する文であり、「雨に」「とりだす」は少しおかしな感覚をもたらすと思うが、こわくもなんともない。言葉は生きていて時代や場所で違った受け方をするということはよくあり、それこそ最近「ってコト!?」という表現をした際に指摘されたことはあるが、そういうことではないらしい。また田丸氏が描いたパラソルが虹色だったのだが、それが溶ける様をとりあげてマイノリティーへの配慮が足りないという指摘もあったらしいが、そのような意図でもないらしい。もちろん、文字自体を空恐ろしくデザインしているわけでもない。絵本らしいフォントだ。

 

それ以来、「こわい」と感じられていることについてどうもピンと来ず、とまどいがある。今目の前にある絵をどう表現するか、「こわい」と言われないか、きになってしまう。

 

皆さんはどのように受け止められるだろうか。

 

あわててとりだすよ、雨に