2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧
古代における伝記は確立されたジャンルではなかった。 人生(bios)あるいは生活(bioi)が指すものは幅広く、クセノフォンの伝記小説「キュロスの教育」やアレクサンダー大王の伝記、プルタルコスの「英雄伝」なども含まれていた。個人の経験を中心とした文…
二言語主義は古代世界におけるひとつの特徴であった。 公用語と大衆語といった形や地域別の言語といった形で存在したが、二言語を使う完璧な能力はおそらく稀であると同時に不必要なものであり、また言語と国家の同一性は比較的重要ではなかったようだ。その…
古代ギリシアにおいて婚約とは二人の男性の間の契約だった。二人の男性とは花婿と花嫁の父またはその代理人のことを言い、この二者間で婚約が成立された。 古典時代のアテナイでは口頭で定型的に交わされており、子供の嫡出性の保証や持参金に関する合意を伴…
アレキサンダー大王の調査隊。 彼らのうちクレタのフィロニデスは有名な長距離ランナーであり、他の者には文学的な野心があった。彼らはそれぞれ、正確な距離と現地の動植物や習慣に関するエキゾチックな報告を発表した。 距離の測定については長年その価値…
古代ギリシア・ローマ時代において、神々の受容は懐疑的な見方にさらされることがほとんどなく、ヘロドトスが書いているように「すべての人は神々について等しく知っている」。 古代ギリシア人は信じるという行為に焦点を合わせた教義を発達させることはなく…
古代において養蜂は、現在の砂糖生産と同じような重要性を持っていた。 古典時代における養蜂の証拠は主に文献的なものであるが、例えばソロンが養蜂について規制を導入したことや、複数のポリスやプトレマイオス朝エジプトが養蜂に税金をかけていたことが知…
最も特徴的で広く分布した古代ローマ建築物のひとつだが、この起源は紀元前4世紀頃からみられる古代ギリシアの公共浴場にある。 古代ギリシアの浴場は壁の周りに配置された(個々の)腰湯が中心で、浴槽の上にある壁龕から座った入浴者に湯をかけることがで…
社会集団はしばしば自分たちと部外者との違いを強調することで自分たちの結束を主張する。 古代ギリシアにおいては主にポリスの一員であることが強調されたが、その文学においてはギリシア人共通のアイデンティティをもとに、対照的な「野蛮人」を作り出すこ…
古代の銀行は現代の銀行と同様のサービスを提供していた。 古代ギリシアや古代ローマの神殿は預金を預かりお金を貸すこともあったが、お金は神殿の資産から貸し出された。また他の金貸しは短期・高利の専門家も含め「オボロスの貸し手」と呼ばれていた。 ギ…