俺は高校生哲学者、不動一者。
幼馴染と遊園地へ遊びに行って、髭の生えた男の怪しげな口頭弁論を目撃した。
口頭弁論を見るのに夢中になっていた俺は、背後から近づいてくるもう一人の仲間に気づかなかった。
俺はその男にサロンに連れられ、目が覚めたら……巻き毛になっていた。
不動一者が巻き毛になったとばれたら、命を狙われ、周りの人間にも危害が及ぶ。
正体を隠すことにした俺は、名前を聞かれてとっさに「今沼カント」と名乗り、父親が哲学者をやっている幼馴染の家に転がりこんだ。
批判哲学で真善美を見抜く、その名は、哲学者カント。