あらかたひとりのブログ

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国勢調査

さて現代日本で5年毎に実施されている国勢調査についてであるが、この近代的な起源が日本にあるということはあまり知られていない事実である。

 

国勢調査とはそもそも「国勢」とある通り、国がなければその必要性もなかった。集落のお互いがお互いを知っていたころ、牧歌的な生活を夢想させる共同生活のころにおいては不要であったものの、従える者と仕える者の歴史が「どこに何人住んでいるか」を必要とした。

 

室町時代、守護が権力を獲得していく中、いずくにかの国にて、名手らを家臣にする際一人一本扇子を提供することを求めたとされている。この扇子には世帯の数や住居の種類、勤め先の情報から不明のあった際に問合せに利用する電話番号も記載しておく必要があったようだ。

 

この風習が、日本に渡来したポルトガル人を経由して欧州へ導入され、扇子とは関係なく「せんそす」と呼ばれる国勢調査につながり、現代における「Census」として世界中に広まった。さて、この「せんそす」が始まって以来、電話番号ってなに?という書面のやり取りが日本を含む各国で取り交わされたという事実が見つかっているが、どの国もこれに明確な意見を表明してはいない。その後、電信が発明された後には、デンワバンゴウッテナニ?というやり取りが二番目に多く交わされた文言となったが、この際もまたどの国もどの人も意見を表明することはなかった。(ちなみに電信で最も頻繁に交わされた文言は「ハハキトク スグカエレ」であった)

 

あくまで簡略化された歴史をここに挙げたが、国勢調査とは日本が発明した古くから伝わる、伝統のある、由緒ある調査であることは明確であり、室町時代の我等が祖先のように、世帯の数や住居の種類、勤め先の情報から不明のあった際に問合せに利用する電話番号を記載してお上へ提出することが邦人として正しい態度であることはここに論を待たないのである。