あらかたひとりのブログ

のんびりひとり暮らししています。

Circumcision 男性器の割礼

ヘロドトスが気づいていたように、古代近東では男性器の割礼が広く行われていた。一般的には古代ギリシア人も古代ローマ人もこの習慣は不快で馬鹿げたものとみなしており、この習慣を宗教的な義務としているユダヤ人とは特に緊張関係を引き起こした。

 

哲学者カント(3)

俺の名は不動一者。

謎の男にサロンに連れられ巻き毛になってしまったが、髪の毛がどうなろうと哲学はできる。

 

今日は休日、人もまばらなカフェでお茶を片手に外を見ていると、隣の席の、黒ずくめの男たちの会話が耳に入ってくる。 ……んん? 今ちらっとだが聞こえたのは「始末」という言葉じゃあないか? これは事件の香りがするぜ!!!

 

……

 

まてよ、なぜ俺は「始末」という言葉を聞いて事件性を感じたのだろう?

 

始末…… 確かに「ヤツを始末しろ」といった文脈で使われた際は命を奪うという意味で使われているように思える。ドラマや映画ではそういった物語になっている。ただ、火の始末、といった言葉もある。これも火が燃え残らないようにその「命」を奪うという意味はあるが、乾燥した時期には特に重要なことだし事件性はない。火事にあったことがある人、あるいは身の回りで火事があったりすれば自然と出る言葉だ。

 

なぜ俺は事件性があると感じた?

 

黒ずくめの男が怪しかった…… ヤツらは火の始末など気にしそうになかった…… いやこれは偏見ではないか? 黒人がポケットから免許証を出そうとしたら、銃を取り出そうとしていると勘違いされて射殺された事件をどこかで聞いたことがある…… 俺はそれと同じことを? 怪しいと思ったから日常的な行為が事件性のある行為に見えたのでは?

 

まてよ…… 始末、しまつ、シマツ、shimatsu……

 

始末書、あとしまつ、ジュウシマツ、島津…… いくらでもあるぞ…… 考えてみると単なる発音でしかない。なぜこの単なる発音が、発声が、音が、さまざまに解釈されるのだ…… は、そして海外では通じないのだ!

 

この事件、まだまだ隠された謎がありそうだぜ!!!

 

(♬~)

 

Eyes On

地球から0.16AU、つまり地球-太陽間平均距離の0.16倍の距離、地球-月間平均距離の62倍はあろうかという距離に、隕石が浮かんでいる。

 

その形はいびつだがおよそ直径50m、太陽の周りを271日でひとまわりしている。太陽に対する速度は24km/s、新幹線のおよそ280倍、音速の70倍、宇宙ステーションの3倍というスピードだ。

 

2046年2月15日の6時半ごろ、この隕石が地球に大接近するとみられている。大接近といっても地球から280万km、地球-月間平均距離の7倍以上の距離をすれ違うはずだ。予測値はこれからもアップデートされ続けるが、地球に衝突する確率は1/625であるとのことだ。

 

約5万年前、同じサイズの隕石が作ったクレーターが米国アリゾナ州のバリンジャー・クレーターである。直径約1.2km、深さ200mという穴をうがったこの衝撃は半径3~4km以内の生物を死滅させたとされ、衝撃波は半径40km近くまで広がったという。

 

ツァーリ・ボンバはこれより気持ち大きな爆発を起こせるらしい。

 

Chthonian gods 冥府の神々

文字通り大地の神々。古代ギリシアにおけるパンテオンの下位区分であり、オリュンポスの神々との対比される。オリュンポスの神々が「天上の」といった意味を持つのに対し、Chthonian は次のような意味をもつ。

 

ヘルメス、デメテル、ヘカテ、ゼウス、ゲーといった神々への称号として使われる。ゼウスについていえばホメロスやヘシオドスにまでさかのぼり、神の Chthonian な側面を示すのに役立った。

 

オリュンポスの神々と区別するための区分として使われる。ハデス、プルート、ペルセポネ、エリニュスなどがそれにあたる。

 

あるいは牡蠣でいっぱいの海

男が逮捕された。

 

その容疑は「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」だ。

 

この法律は遺伝子組換え生物等を使用等する際の規制措置を講じることで、生物多様性への悪影響の未然防止を図るものであり、具体的に言えば、遺伝子組換え生物の環境放出を伴う行為に先立ち、予定している方法によって生物多様性に影響が生じないか否かについて審査を受ける必要がある、といったものだ。

 

男は生物による水質改善に取り組む研究者であった。

 

水質の改善は流れ込む汚水を抑えることが肝要であるが、アサリや牡蠣といった生物による浄化も重要とされている。1個の牡蠣が1日に濾過する海水は約400リットルとも言われ、これは広めの浴槽いっぱいの水にあたる。牡蠣を筏から吊るして流れる水を濾しとってもらうことで、水質の改善が図れるのだ。

 

実証実験に先駆け、男にいたずら心が芽生えた。

 

遺伝子組換えを研究している大学時代の後輩にとある牡蠣を譲ってもらい、その牡蠣も吊るすことにしたのだ。この牡蠣は生物による発光現象研究の産物であり、ほの暗い部屋でほんの微かに赤く光る。この牡蠣を、自然の中に、筏から吊るしたらどうなるか。これが法に触れることは重々承知ではあったが、止められなかった。だが結果は予想していた通り、夜も明るいこの都心部では目を凝らしても光をとらえることはできなかった。だが男が求めていたのは自然の中に遺伝子組換え生物を放置することだったので、失望はなかった。

 

これが男が逮捕される5年前の出来事だった。

 

遺伝子組換えの何が功を奏したのか、今では沿岸は赤い光に彩られ、貿易船を経由して海外でもこの牡蠣が発見されるようになった。

 

この国に限らず、世界中で、あるいは牡蠣でいっぱいの海に。

 

わかったコピペ

わかったわかったわかった。もうわかった。

だからもうわかったって。

もういいからもうわかったから。

お前の言いたい事も言ってる事もわかったから。

全部わかった。全部。すごいわかった。ものすごくわかった。

 

お前の氏名と生年月日と住所と電話番号と勤め先と各種SNSのログイン情報と金融機関口座情報と加入している各種保険と支払い続けているローンと各種ECサイトおよびポイント付与するために会員カードを提示した店舗での購入履歴とブラウザおよびアプリでの閲覧履歴と位置情報履歴と健康診断結果と病歴と遺伝的な病気リスクと小中高校でのテストの結果および卒業アルバムと大学での卒業論文含む提出物と就活中の履歴書と街中での姿かたちの録画データと交友関係とその関係の中での会話内容とかわかってるから。

 

だからわかってるわかってるそれもわかるよ。わかってるって。

わかりまくってる。ていうかわかってた。実を言うとわかってた。

始めっからわかってた。わかってた上でさらにわかったから。

二重にわかってるから。むしろわかりすぎてヤバイ。

全部わかるんだもん。わかっちゃうんだもん。

ほら、お前もわかってきただろ?それもわかるから。

 

Choregia コレギア

古代アテナイにおいて、コレギアは裕福な市民がポリスのために行う公共サービスであった。アテナイの祭りにおける合唱団の募集、訓練、衣装の手配などコレーゴスと呼ばれる役割がそれであったし、海軍の船の準備もまた裕福な個人の出資であった。

前者について、大デュオニシア祭では5つの喜劇(それぞれ合唱団24人)、3つの悲劇とサテュロス劇(合唱団12人か15人)、そしてディテュランボスは成人の部と少年の部それぞれ10(合唱団50人)が演じられた。コレギアが導入された時期は不明だが、その歴史はアテナイが民主制へと変わっていく流れと関係している。コレギアを担える階層は市民人口のおよそ1%とされ、2年連続では要求されなかったようだが、市民の好意を得るためにより多くの役割を果たす者もいた。大デュオニシア祭の悲劇とサテュロス劇に3,000ドラクマという、熟年労働者の年間収入の10倍に相当する費用を捻出していることもあったようだ。コレーゴスの間では競争心と名誉心が高く、義務ではあるが政治的な恩恵にもなっていた。

紀元前4世紀になりアテナイに陰りが見えるとこの出費に疑問が呈され、紀元前405年の大デュオニシア祭では2人で費用を分担することになった。アテナイ外でも多くのポリスでこのような制度があったようだ。