あらかたひとりのブログ

のんびりひとり暮らししています。

バロンチェア

椅子である。

 

今こうしてちょっとしたデスクに置かれたモニターに向かい、キーボードで文字を入力しているときに座っている、その椅子である。

 

床に座るスタイルであれば座椅子だし、ノートパソコンであればソファでもよいのだろう。前者は基本姿勢が胡坐の人や、部屋に圧迫感を与えたくない人がやっているイメージ。後者はオシャな方々が膝を立ててノートパソコンに入力しているイメージ(こっちの方々はラグマットの上にアンニュイな感じで座り、ソファ前のローテーブルにノートパソコンを置いて動画を見たり呟いたりしているイメージがあるのはなぜだろう)。

 

私が今座っているのは、オカムラのバロンチェアというオフィスチェアである。

 

オフィスチェアっていうと何となく伝わる気がする。この脚が5本あってその先にキャスターがついていて、かつファンシーさのない機能性の塊みたいな、いや伝わるかな、この感じ。

 

まあこの椅子を2年ほど使っているのだけれど、ふと文字入力しづらいなと思い取扱説明書を見直すと、ああこんなこともできたんだという再発見ひとしおである。文字入力のしづらさは明らかに座面が低かったせいだったのだが、これだけの椅子を買っているなら椅子の座り方も気をつけろよと言われてもやむなしだ。

 

ええと、「洗練されたデザインと多彩なバリエーションであらゆるオフィスに調和」するらしい。私の所有しているのはヘッドレストのないハイバックの、張り地がライムグリーンでメッシュのやつである。確かに普通の座り方をするといい感じである。以前安物の革っぽい椅子に座っていたときは蒸れる感じがあったのだが、このメッシュであればそんなことはない。まあその代わり包み込むようなふわっとした柔らかさはないので、人によってはクッションタイプのほうがいいのかもしれない。

 

でも胡坐にはそぐわないんだよなあ。ついつい癖で胡坐をかいてしまうのだけれど、この椅子は座面が広くないため胡坐には適さないようだ。いや、メッシュだから多少固いせいなのかな。みんな家では胡坐をかいていないのだろうか。そして「胡坐をかく」という表現は正しいのだろうか。何で「胡坐」「かく」なのだろう。

 

Wikipediaによると胡坐はその名の通り胡(古代中国の北方・西方民族に対する別称)から伝わったもので、アラビアでは一般的な座り方であるらしい。しかし一方、漢字文化資料館によると古事記における「あぐら」は胡の習慣であった椅子を意味しているというし、語源由来辞典でも座り方の意味に転じたのは江戸時代以降とされている。「かく」についてはよくわからないが、「掛く」とか「構く」とかに関係しているという説があるようだ。

 

いや、関係ないや。ネットを見ると、胡坐はよくないといった情報が出てくるのだけど、やっぱり胡坐をかくのはダメなのだろうか。いろいろな意味で。