猫に関する本
猫に関する本を一通り読んだ。
個人的に興味がある範囲に限られてはいるものの、ここに記そうと思う。
①「はじめての猫 飼い方・育て方」石野孝(監修)
・飼い方:◎
・起源・進化:×
・生理・生態:×
・文化史:×
・猫種:○
猫を飼うためのわかりやすく実用的な知識を与えてくれる本。その書名と表紙に違わず、猫を迎えた初日、毎日の食事、トイレのしつけといった内容を、各2ページで豊富な絵と写真でわかりやすく伝えてくれる。
②「ネコの博物図鑑」サラ・ブラウン
・飼い方:○
・起源・進化:○
・生理・生態:○
・文化史:△
・猫種:○
博物図鑑の名に恥じず、猫に関する全般的な話題に触れている。①に比べると飼い方については漠然としているが、ネコ科の起源、現代ネコの血統といった起源・進化に関する話題から、生理学や生態学の話題まで広く網羅している。原題はThe CAT / A Natural History。
③「ネコ学入門」クレア・ベサント
・飼い方:○
・起源・進化:△
・生理・生態:○
・文化史:×
・猫種:△
原題はThe Cat Whispererであり、猫が何を考えているか読み取ろうという趣旨の本。猫を飼うにあたって①の方が実用的ではあるが、猫が見ている世界はどのようなものか、猫はどのようにコミュニケーションをとるかについてよく書かれている。意外にも飼う上でのQ&Aが豊富で、赤ん坊と猫、猫砂、ベジタリアン猫はいるかなどに答えている。
④「猫的感覚」ジョン・ブラッドショー
・飼い方:△
・起源・進化:○
・生理・生態:○
・文化史:○
・猫種:△
こちらは原題Cat Sense、③に比べると飼い方に関する話は多くはないものの、その起源・進化に関する話が多く興味深い。猫が生態系を壊している、という圧力を背景としており、その圧力への回答を目指しているところはあまりピンと来ないかもしれない。未来のネコがどうなるのか不安を覚えるという生物学者らしい意見が面白い。
⑤「猫の世界史」キャサリン・M・ロジャーズ
・飼い方:×
・起源・進化:○
・生理・生態:×
・文化史:○
・猫種:×
世界史と銘打っているが、猫が人間からどのように扱われてきたかという文化史が強い。大半が小説を含む文献における猫の扱われ方で、女性は猫といった見方があったこと、その見方が克服されてきたことなど記されている。猫にとっての災いは結構衝撃的なものだった。
⑥「猫づくし日本史」武光誠
・飼い方:×
・起源・進化:×
・生理・生態:×
・文化史:○
・猫種:×
日本において猫が人間からどのように扱われてきたか、という文化史。猫はその昔綱につながれていたというのは意外。もちろん猫又やまねき猫もあるよ。
⑦「ネコの行動学」パウル・ライハウゼン
・飼い方:×
・起源・進化:×
・生理・生態:◎
・文化史:×
・猫種:×
マックスプランク行動生理学研究所・ネコ研究グループを率いた著者による、現代ネコ研究の嚆矢とされる本。行動をつぶさに調べることで、猫の捕食行動、社会行動を事細かに記していく。とにかく細かいが、猫の飼い主ならうなずくことしきりではないだろうか。
というわけで、猫、飼っちゃいました。